野生鳥獣の増加

自然はひと繋がりに全ての生き物に平等です。ところが人々が人間らしく暮らすためには野生害獣はどうしても困りもの。私たちの生活に欠かせない野菜を育てる農家に深刻な被害を及ぼしています。

例えば最も大きな被害をもたらす鹿。穀物・野菜・果物、あらゆる農作物を食害し増え続け、田んぼや畑のみならず山野の植物をも食べ尽くした末に、新天地を求めて生息範囲は広げ、とうとう高山帯にまで進出するものも出てきました。

今や日本有数の貴重な自然までもが鹿に食い荒らされ脅かされている状況です。深刻な害獣被害を食い止めようと、毎年全国でたくさんの害獣が駆除されています。

ですが害獣も人々と同じく生存をかけて暮らしています。彼らだって大切な自然の一部なのです。

自然への感謝
ジビエを身近に一歩ずつ

狩りはもともと古来から生きるための糧として、同じ地球に暮らす野生鳥獣に敬意を払う自然への感謝であり、命をいただくことが自然の秩序を保つことにもつながってきました。

地産地消から生産管理された飽食の時代へと時は流れ、現代では生態系のバランスを保つことや、命をいただくことへのリアリティを感じることが難しくなっています。

現在、害獣対策は駆除だけで終わるケースが多く、そのうち食肉利用されているのは現状全国平均でわずか5％ほどです。